9月に思いがけず3連休がとれたので、ふと国際線航空券を調べてみたら思いのほか安かったので衝動買いしてしまい、海外に弾丸旅行することになってしまった。ここまでの顛末は、以前の記事にまとめてある。
0日目
さて、待ちに待った出発の日だ。勤務終了後、夜行バスで東京に向かう。自宅最寄り駅22時近くの電車に乗って、市内中心部のバス乗り場へ。23時少し前に東京行きの夜行バスに乗車、翌日の台湾に思いを馳せながら仮眠。
ピンクのバスでお馴染み、WILLER EXPRESS のリラックスシート。カノピー付きだから、アイマスクなしでも眠れる。
1日目
翌朝5時過ぎにはバスタ新宿に到着、そのまま中央線に乗って東京駅へ。東京駅近くで軽く朝食を済ませ、東京シャトルで成田空港へ。事前予約していたので900円で東京駅から成田空港まで移動できる。
1時間程度で成田空港に到着。第2ターミナル(北)バス停でバスを降りてすぐの入口からターミナルビルに入ると、目の前がこれから搭乗するSCOOTのチェックインカウンターだった。チェックイン開始時刻には早々とチェックインを済ませる。パスポートを提示して、荷物の確認。預入荷物はなく、キャビンバゲージのみ。キャビンバゲージの重量チェックは楽々とクリアし、バックパックにチェック済の証明タグをつけてもらう。そして、搭乗便のボーディングパスを受け取る。
ボーディングパスを受け取ったら、IASS EXECUTIVE LOUNGE 2で休憩。本来は有料なのだが、ゴールドカード保有者かつ当日のフライト搭乗者なら無料で使える。利用航空会社に制限はないので、LCC利用者にとっては結構ありがたい。ラウンジ内ではアルコール飲料1ドリンク(ビールorハイボール)とおつまみ(柿ピー)、ソフトドリンクバーを無料でいただける。航空会社のラウンジのような豪華さはないが、LCC利用の格安弾丸旅行でそこまで求める必要もなかろう。空港で旅立ち前のひと時を優雅に過ごせるのは、なかなか心地よいものだ。うん、ラウンジは旅のセーブポイントなんだよ。
ここでスマートフォンのSIMを入れ替える。これから先は、シンガポールで利用したSTARHUB PREPAID SIMを使うのだ。Wi-Fi環境下で専用プロファイルをインストールすれば、面倒なAPN設定も自動で済ませることができる。台湾に行くのにシンガポールのSIMを使うのは不思議に思われるかもしれないが、STARHUB PREPAID SIMのHAPPY ROAMサービスを使えば、シンガポール国内と同じ料金でアメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、香港、台湾など、日本人旅行者がよく行くであろう国々でローミングができてしまうのだ。しかも、データ料金は割安なのだ。今回は3日でSGD 5(約400円)のプランを利用した。
いつまでもラウンジでゆっくりしている訳にもいかないので、荷物の最終確認を済ませて、ラウンジを出発した。そして、フライトインフォメーションを確認してから、パスポートコントロールへ。すいていれば5~10分程度でクリアできるが、混んでいるとかなり時間がかかるので、パスポートコントロールは早めに通過しておいたほうがよい。
TR899便台北経由シンガポール行きに搭乗。陽気なボーディングミュージックが機内に流れ、旅立ちへの期待感が高まる。ANAのAnother Skyも上品で好きだけど、こういった陽気な感じがLCCらしくて好感が持てる。シートのカバーにはシンガポールF1グランプリのデザインが施されていた。
タキシング中は、英語、日本語、中国語による機内アナウンスやセーフティインストラクションが流れ、国際線の雰囲気が漂う。12時32分、TR899便は成田空港を離陸。運航機材はB787-9だから、機内はけっこう快適。機体そのものが大きいため、シートピッチも広く、そこまで乾燥しているわけでもない。日系LCCのpeachと比べ、機内の清掃は甘いようだが、そもそもLCCにそこまで期待してはいけない。
LCCだからといって安全性に問題があるわけではない。むしろ、LCCだからこそ、一度でも重大事故をやらかそうものなら即座に経営危機に陥ってしまうため、安全に関する部分の妥協は許されない。大手航空会社同様に、航空当局の規制に則った運航および整備が行われる。
SCOOTは離着陸時には小さなサブバッグすら前席の下もしくはオーバーヘッドビンへの収納を指示されるうえ、イヤフォンやヘッドフォンの使用も禁止されている。日系の大手航空会社でさえ、ここまで厳しい安全対策は行っていない。
無事に桃園空港に着陸。シンガポールまで乗り通す乗客を含め、全員がいったん降機する。シンガポールまで乗り通す場合は、トランジットゲートを通過し、再度搭乗口に向かう必要があるのだ。著者は台北が最終目的地なので、そのままCIQへ。
毎度のことであるが、イミグレーションが長蛇の列。でも、意外と列の進みは早いので、すんなりと入国できるはずだ。イミグレーションとバゲージクレームを通過したら、非制限区域に出る直前に両替所がある。2泊3日の弾丸旅行で、クレジットカードを利用する前提であれば、5000円くらい両替しておけば十分だ。
非制限区域に出たら、さっそく台湾をエンジョイしよう。桃園空港から台北までは桃園メトロで35分程度だ。國光客運(Kuo Kuang Bus)が運行する1819路(1819系統空港バス)でも、1時間程度だ。だが、いつもそればかりでは面白くない。たまにはどっぷりとローカルにまみれてやろうじゃないか。桃園市内を軽く楽しめるうえ、運賃は桃園メトロや國光客運1819路よりも安くつく。
<参考:桃園空港~台北駅 運賃一覧>
桃園メトロ:桃園空港~台北駅 NTD150
國光客運1819路:桃園空港~台北駅 NTD 140
U bus 706路+台鉄 計:NTD 82~114
U bus 706路:桃園空港第1ターミナル~台鉄桃園駅 NTD 48
U bus 706路:桃園空港第2ターミナル~台鉄桃園駅 NTD 44
台鉄:桃園駅~台北駅(Easy Card利用) NTD 38
台鉄:桃園駅~台北駅(莒光号指定席利用) NTD 51
台鉄:桃園駅~台北駅(自強号指定席利用) NTD 66
統聯客運(U bus)が運行する706路(706系統)の 桃園火車站(台鉄桃園駅)行きに乗る。第1ターミナルから乗るよりも、第2ターミナルから乗ったほうが若干安い。桃園空港のターミナル間は、Skytrainもしくは桃園MRTで無料で移動できる(ただし桃園MRTはEasyCardによる乗車に限り無料)。今回は桃園MRTで第2ターミナルへ移動してからU bus706系統に乗車した。
U bus 706系統は普通の路線バスのような車両で運行されるが、空港を出るとすぐに高速道路に入り、桃園市街地を目指す。日本の感覚からすると驚くかもしれないが、座席にはシートベルトが装備されており、高速道路を走行する前提で車両が設計されているのがわかる。
高速道路を降りて桃園市街へ入ると、こまめにバス停に止まりながら客扱い。夕刻だったため、渋滞に巻き込まれ、予定よりも遅れて台鉄桃園駅に到着。
乗る予定だった列車がディレイ食らってた。旅に遅延はつきものさ。
莒光号(Chu Kuang Express)516次列車が桃園駅に入線。この列車の指定席を取っている。
車内は日本の国鉄時代の列車を彷彿とさせる雰囲気。4アブレストのリクライニングシートでシートピッチも広く、機関車牽引列車独特の静かさも相まって、乗り心地はなかなかのもの。
40分ほどで台北駅(台北車站)に到着。台北駅は台鉄も高鉄もすべて地下に線路がある。
台北メトロに乗って西門駅に移動。西門(Ximen)は台湾随一の繁華街で、東京でいうところの渋谷や原宿に相当する若者の街でもある。今晩の宿、卡楽町旅店(Colormix Hotel & Hostel)へ。
リーズナブルなシングルルームをチョイス。ロフトベッドとTVだけのシンプルなお部屋で、清掃も行き届いていて、宿全体が清潔に保たれている。
部屋にあるTVはCNNの英語放送が入るので、中国語がわからなくても退屈することはなかった。
荷物を整理したら、さっそく西門の街へ繰り出そう。西門エリアは海外からの観光客も多く、英語や日本語が通じる店が多い。
日本ではまずお目にかかれない、Superdry Store.もある。
極度乾燥(しなさい) なんていう怪しげな日本語のブランド名なのだが、もとはといえばアサヒビールのSUPERDRYにインスパイアされて立ち上げたんだとか。そのせいで日本には店舗が存在せず、ブランドwebサイトにすら日本国内からはアクセスできない。
せっかく西門に来たのだから、台湾グルメを満喫しよう。まずは阿宗麺線(Ay Chung Flour Rice Noodle)へ。温かい米粉入りそうめんみたいなもので、優しい味わいで美味しかった。
阿宗麺線をエンジョイしたあとは、フライドチキンで有名な豪大大鶏排(HOT-STAR Large Fried Chicken)へ。
ここの名物は巨大フライドチキン。人の顔よりも大きなフライドチキンを、注文が入ってから揚げてくれるスタイル。出来上がりまで10~20分ほど待つが、揚げたては熱々でなかなか美味しい。
この特大フライドチキンを食べ終えるのに15分近くかかった。食後のドリンクとして、清心福全(Ching Shin Fu Chuan)でウーロン茶を購入。台湾のドリンクスタンドでは、甘さと氷の量を選択できる。砂糖抜き、氷は少なめでオーダー。食後に最適な、さっぱりとした味わいだった。
美味しいウーロン茶を堪能した後は、宿でゆったりと寝ることにしよう。
2日目
台湾旅行2日目は、早朝からメトロに乗る。台湾に来たからには是非とも食べたい、名物朝食のためだ。
MRT板南線の善導寺駅で降りて、華山市場へ。凄く並んでるが、臆せずにこの待機列につく。これが台湾で有名な朝食屋さん、阜杭豆漿(Fu Hang Dou Jiang)への列なのだ。
この時間帯の華山市場2階のフードコートは、阜杭豆漿のお客さんばかり。ほかのお店はまだ開店すらしていない。
豆漿をはじめとした、台湾の朝食をエンジョイ。
お手頃なお値段にもかかわらず、一品一品のボリュームがあり、大満足。
朝食を堪能した後は、フランス資本の巨大スーパーマーケット、Carrefourでショッピング。職場へのお土産を購入。
Carrefourでのショッピングの後は、西門の歴史ある喫茶店、蜂大珈琲(Fong Da Coffee)にて軽くコーヒーブレイク。
蜂大珈琲店内でLonely Planetを片手に台湾産のコーヒーをいただきながら、お昼をどうするか考える。どうも、老山東牛肉家常麵店(Lao Shan Dong Homemade Noodles)が美味しいらしい。西門にお店があるとのことで、徒歩圏内だ。よし、そこに決定だ。
看板メニューの牛肉家常麵をオーダー。さっぱりとしたスープに、モチモチとしたきしめんのような平麺、そして柔らかく煮こまれた牛肉がマッチしていて、すこぶる美味しかった。Lonely Planetよ、ありがとう。
牛肉家常麵をエンジョイした後は、MRT市政府駅からすぐの貢茶(Gong Cha)台北信義(Taipei Xinyi)店にてタピオカドリンクをいただく。
新宿やそこらの貢茶に並ぶのとはわけが違う、本気のタピ活だ。パスポートが必要な本気のタピ活、是非ともおすすめしたい。
台北はエネルギッシュな街だ。特に夕暮れ時、雑然とした街並みに車とバイクが走り回る様子を眺めると、それを実感する。
MRT中山國小駅近くの小品雅厨で晩御飯。しゃれた内装のごはん屋さんだ。
ちょっと高めだけど、けっこう美味しい。特に、トマト入りスクランブルエッグが絶品だった。そして、野菜を使ったメニューが豊富なのが嬉しい。
美味しい晩御飯を堪能した後は、MRTで台北駅に戻って、台北駅周辺で最後のショッピングとしよう。
そして目玉焼き……
……っていうか、この目玉焼きって……まさかお前の卵なのか?!
そんな目で卵を見られても……というか、目玉焼き美味しそうだなおい。
台北駅のすぐそばにある新光三越(Shin Kong Mitsukoshi)へ。
夜空にはためく台湾の旗とライトアップされた荘厳な姿の台北駅。
台北駅のホールは吹き抜けで素敵な雰囲気。
代官山のTSUTAYAのモデルになったともいわれる、オシャレ書店の代名詞、誠品書店(eslite)へ。
これから台北を後にして、明日早朝には帰国するというのに、台北のガイドブックを購入してしまった。
www.victionary.comさて、早いものでもう明日は帰国だ。台北駅前のMain innでシャワーを浴びて仮眠だ。真夜中の2時20分発の空港バスで桃園空港に向かうのだ。フロントのスタッフに、1時半に起こしてくれるようにお願いした。こういうバックパッカー向けの宿泊施設のスタッフは、ほぼ英語に対応できるので、中国語がほとんど理解できない著者にとっては大変ありがたい。
ベッドまわりはスタイリッシュに出来ていて、しかも使いやすい。
3日目
1時半過ぎ、宿のスタッフさんが起こしに来てくれた。2時過ぎの空港行きのバスに乗るため、荷物をまとめて出発だ。
この日は台湾に台風が接近しており、台北市内は凄まじい雨だった。宿から台北駅まで、たかだか10分もかからない距離だが、足元どころか下半身がずぶ濡れになってしまった。帰りのTR898便、フラキャンにならなければよいのだが……
國光客運1819路の車内は4アブレストのリクライニングシート。
重陽駅で客扱いを済ませたのち、短時間ながら仮眠をとれるようにという配慮だろうか、車内が消灯された。
台北駅を出発して約1時間で桃園空港に到着、TR898便にチェックイン。台風は近づいているものの、どうやら飛ぶらしい。
チェックイン後、速やかにパスポートコントロールを通過し、制限区域へ。
制限区域にあるAirport Experience Zoneでは、ゆったりとしたソファやシャワーを使えるので、弾丸旅行にはありがたい。
Airport Experience Zoneでゆっくりとした後は、TR898便に搭乗だ。さらば台湾!
窓側のシートアサインだった。
11時前に成田空港に到着、日本に戻ってきた。CIQを通過し、再びIASS EXECUTIVE LOUNGE2へ。実はアライバルラウンジとしても使えるので、到着後に荷物整理をしながら、フリードリンクを楽しむことができるのだ。その後、16時半頃に東京駅を発車するバスに乗って帰宅した。
この弾丸旅行では、往復の航空券、諸税・手数料、成田空港までの往復交通費、現地交通費、宿泊費、食費、お土産など、全て含めても4万円を切っている。旅の価値は値段では決まらない。格安の弾丸旅行でも、十分に満足度の高い旅行に仕上げることも可能なのだ。この旅行にかかった費用を参考までに。
<旅費>
TR899 成田~桃園:JPY 3890
TR898 桃園~成田:JPY 3890
諸税:JPY 5341 (2090 SW, 520OI, 1000TK, 1731 TW)
支払手数料:JPY 1600 (JPY 800×2)
Colormix Hotel & Hostel:JPY 2919 (Include tax)
Main inn:JPY 1655 (Include tax)
WILLER EXPRESS 往路:JPY 2500
WILLER EXPRESS 復路:JPY 3300
東京シャトル 東京駅~成田空港:JPY 900(事前予約運賃)
THEアクセス成田 成田空港~東京駅:JPY 1000
U bus 桃園空港第2ターミナル~台鉄桃園駅:NTD 44
台鉄莒光号 桃園~台北:NTD 51
國光客運 台北駅~桃園空港:NTD 140