COVID-19 パンデミックと儚く散った夢
東南アジア……その中でもタイに行きたい……そう思ったのが2019年の夏のことだった。
Lonely Planet*1を読んで Khao San(カオサン)通りに憧れた。ローカル食堂で絶品トムヤムクンを味わいたいと思った。壮麗なるバンコク中央駅の駅舎を眺めたいと思った。そう思って、Scoot でバンコク行きのチケットだって取っていた。
しかし、その夢は儚くも潰えた。2020 年初頭からの COVID-19 のパンデミックを受け、泣く泣くキャンセルすることにした。
それから 3 年の月日が流れ、日本では COVID-19 の感染症法上の位置付けが 5 類感染症に移行され、職場で課されていた個人に対する県外および海外への移動制限も解除された。しかし、航空需要の増大と円安が相まって、国際線の航空券もだいぶ高くなってしまった。いつかはタイに行ってみたい……そんな思いを抱きながら日々を過ごしていた。
しかし、東南アジアへの思いは諦めきれず、粘りに粘ってチケットのサーチを続けた結果、2023 年秋には、なんとか休日と格安チケットをゲットし、ベトナムに行くことが叶った。そのときの詳細は下記記事にまとめてあるので、参照していただきたい。
medicalengineer.hatenablog.jp
ベトナム、楽しかった……!めっちゃ楽しかった……!東南アジアってこんなにも楽しかったのか……?!だったら、やっぱりタイにも行きたい!!
タイへの渡航を夢見る日々は続いた。暇さえみつけては、格安航空券をサーチし続けた。価格と日程、両方を満足するチケットはそう簡単に出てくるものではない。それはわかっていた。だが、いつかはきっとチャンスが巡ってくる……そう信じてサーチする日々は続いた。
まさかの1か月前に発見&発券
運命の日は突然やってきた。いつものように、趣味の一環として海外航空券をサーチしていたら、居住地の最寄りの空港からバンコク行きのチケットが 3 万円台後半でヒットした。現地滞在時間やコネクションの時間など、旅行条件の最適化を進めていったところ、諸税・手数料込みで 38,070 円だという。
仕事に余裕がある時期のチケットだったので、日程調整はしやすかった。職場カレンダー上の 3 連休の後に代休を 1 日追加して 4 連休を仕立て上げれば、バンコクへ旅立つことができるぞ……?!しかも、東京発着ではなく、著者の地元の空港からの発着でこの値段だ。しかも、LCC ではなく FSC のチケットだ……機内食も出るし、荷物を預けることもできるぞ?!めっちゃ安くないか?!
はい、ポチッとな。
本当にバンコク行きのチケットが手に入ってしまった。毎度のことながら、航空券を衝動買いする人間って頭がおかしいと思う。自分のことだけど。
今回のチケットは、地元の空港から上海の浦東(プドン)国際空港経由でバンコクの Suvarnabhumi(スワンナプーム)国際空港への往復ルートだ。中国東方航空のフライトが 3 便、上海航空のフライトが 1 便だが、全てのフライトを中国東方航空の便名(上海航空運航便は中国東方航空とコードシェア)で買っている。
航空券を手配したら次は宿泊の手配だ。1 泊目は Suvarnabhumi 空港に到着するのが日付が変わった後になるので、空港近くで格安ホテルを探すことにした。Suvarnabhumi 空港の近くには格安ホテルが多くあり、深夜着でも宿泊に困ることはそれほどないと思われる。今回は The Phoenix Hotel Bangkok を選択した。
phoenixhotelbangkok.com
2泊目はバンコクを思いっきり堪能したいので、格安とまではいかないものの、そこそこのクオリティでありつつも、お手頃な宿泊費で交通アクセスも良いホテルを探すことにした。
色々と候補は見つかったが、BTS の Phra Khanong 駅近くの Hope Land Hotel Sukhumvit 46/1 というホテルにした。日本のビジネスホテルよりは豪華な内装で清潔な客室でありながらも、宿泊費が比較的安く、コストパフォーマンスに優れたホテルだ。
hopelandhotel.com
例によって荷物はコンパクトにしたが、今回はそこまでシビアに切り詰める必要はない。今回は往復ともレガシーキャリア利用なので、チェックインバゲージも無料で利用できるからだ。3 月の東南アジア旅行ということもあって、日本と現地の気候が大幅に違うことから、どうしても衣類が多くなってしまう。衣類は多めに準備したうえで、キャビンバゲージの枠に収まるようにパッキングした。

旅程上、往路だけ身軽にできればそれでいいのだ。職場に手土産を買わねばならないので、復路はバックパックを預け入れよう。
1日目
いよいよ出発の当日だ。電車とバスを乗り継いで最寄りの空港へ向かう。空港に着いたところ、フライトのチェックインは出発時刻の 2 時間前に開始だという。大都市の空港からのインター*2であれば出発の 3 時間前が相場だろうが、小さな地方空港だから 2 時間前なのか。ドメ*3みたい。
しばらくラウンジで時間をつぶし、出発 2 時間前、チェックイン開始時刻になったところでチェックイン待機列に並ぶ。チェックインが完了したら出発ロビーで暫し時間をつぶし、いよいよ出発だ。セキュリティチェックを抜け、パスポートコントロールをサクッと通過。地方空港だから、出国後エリアに広大なコンコースが広がっているわけでもなく、基本的には単なる待合室だ。小ぢんまりとした免税店があるが、単なる売店のような雰囲気である。これから海外に行くというのに、感覚としてはそんな雰囲気が全くない。ドメみたい。
ちなみに、イミグレを通過するタイミングで隣に並んでいた見ず知らずの日本人旅行客から、色もサイズもまったく同じバックパックをお持ちですね、と声を掛けられた。いつも私が旅の相棒に選んでいるバックパック "CABIN ZERO" は、機内持ち込み手荷物だけで旅をするために設計された代物なのだ。だからこそ、同じ思いで旅に出ている人と出会えてちょっぴり嬉しくなったのは内緒だ。
搭乗したシップは A319 だった。シートモニタもなければ、背面テーブルも単純な構造だ。ドメみたい。

能登半島上空を西へ飛ぶ。

機内食がサーブされた。

機内食が出たところで、ようやくこのフライトがインターだと実感する。気になる機内食の味はというと、意外にも美味しかった。
なお、中国東方航空のフライトでは、エコノミークラスのドリンクサービスに酒類は含まれない模様であった。青島ビールでも飲もうかと考えていたけど、それは叶わなかった。美しい日本の空を眺めながら、機内食をエンジョイする。そう、このフライトの大半は日本の領空を飛んでいるのだ。
五島列島上空を経て東シナ海を西へ飛び、日本から中国へと向かう。上空が茜色に染まり始める頃、シップは旋回を繰り返しながら高度を下げ始めた。海面が間近に迫り、中華人民共和国の上空へ。かなり低いアルティチュードから、明らかに日本の街並みとは異なる上海郊外の街並みを眺めながら、上海浦東空港へ向けてアプローチを続ける。
上海市近郊の遊覧飛行の様相を呈したアプローチののちに、上海浦東国際空港にランディング。広大な浦東国際空港の誘導路をタキシング、T1 のサテライトにスポットイン。ボーディングブリッジを渡り、初めて中華人民共和国に降り立った。

中華人民共和国ということで身構えていたが、意外と普通の空港で拍子抜け。T1 サテライトから本館へと向かう MRT に乗る。プラットホームはどことなく台北市の MRT と雰囲気が似ている気がする。

MRT の車内は広々としている。

さて、いよいよこの旅最大の関門、中華人民共和国への入国だ。著者がこの旅をした時点では、中国は日本人に対して観光目的のビザ免除措置を執ってはいないが、24 時間以内のトランジット目的の入国であればビザは免除されることになっていた。

中国辺検の審査官による審査を受ける。質疑応答を繰り返し、数分かかってようやく中華人民共和国の入国許可を得た。

イミグレを抜けてすぐのところに外貨両替所があるが、手数料が割高だった。
もう夕方でそろそろ晩御飯……という時間帯ではあったが、どうせ浦東から Suvarnabhumi へのフライトで機内食が出るだろうという思い込みから、この時点では両替して晩御飯にするという発想はなかった。

エアラインのカウンターに立ち寄って、再び出国。人気も疎な出国後の制限区域でボーディングを待つ。巨大空港の割に、飲食店や免税店はそれほど多くなく、暇を弄ぶかもしれない。

浦東発 Suvarnabhumi 行きのフライトにボーディング。

シップは A330、ワイドボディ機だ!指定された席に着席、シートモニタが装備されていることに歓喜する。

短距離のフライトとはいえ、シートモニタがついている機材は有難い。フライトマップがあればいくらでも時間はつぶせる。映画やゲームもいいけれど、フライトマップが何よりも楽しい機内エンタメなんだよ。

機内食を心待ちにフライトマップを楽しんでいるうちに、ドリンクサービスが2度回ってきた。
えーっと、機内食は出ないんですかねぇ……?
そう思っていたら、そろそろファイナルアプローチに入る旨のアナウンスが流れてきた。そもそもミールがないフライトだったのか。FSC のインターでミール無しのフライトなんて初体験だぞ……。
2日目
深夜の到着
日付が変わって、翌日0時45分、Suvarnabhumi 国際空港にランディング。いよいよ念願のタイに上陸だ。ボーディングブリッジを渡り、Suvarnabhumi 空港へ降り立つ。
CIQ 通過前の到着コンコースに、外貨両替所や SIM ショップがあるので、必要に応じて両替したり、短期 SIM を買ったりすればよい。少額の現金が必要になるため、とりあえず Kasikorn Bank(カシコン銀行)で 2000 円だけ両替した。

CIQ は 10 分もかからずにスムーズに通過できた。晴れてタイに入国が完了だ。パスポートに押されたタイの入国スタンプに心を躍らせ、ターミナル内を闊歩する。そうだ、ホテルに向かう前に、腹ごしらえをしておこう。ランドサイド1階の端にある Magic Food Point というフードコートで軽く夜食にした。

おそらくマレーシア近辺の味であろう、チキンビリヤニをオーダー。

意外と安くて美味しかった。ここは深夜も営業していて、何かと物価の高い空港という場所において、リーズナブルなお値段で食事にありつけるという、弾丸トラベラーにとってはたいへん有難い場所である。ちなみに、ここに限った話ではないが、タイのフードコートでは、オーダー前にプリペイドカードにチャージしておき、決済時はプリペイドカードの残高から引き落とされるシステムになっている施設が多い。プリペイドカードの残額はチケットカウンターで手数料不要で払い戻せるので安心だ。
食事を終えたところで、予約していたホテルに電話をかけて、エアポートピックアップの依頼をする。ほどなく、空港ターミナルビル 2 階の 7 番ゲート付近にピックアップのミニバンが到着。ミニバンに乗り込み、ナトリウムランプのオレンジ色に照らされた深夜の高速道路をドライブ。深夜に海外の空港に降り立って、そのままハイウェイを走ってホテルへ向かっている時って、なんだか無性に心が躍るものだ。
空港から 15 分程で The Phoenix Hotel Bangkok に到着。早速チェックイン、部屋へ向かう。

キレイにベッドメイクされ、清潔な室内。

ミネラルウォーターとカフェラテはコンプリメンタリー*4。

東南アジアのように暑い地域に深夜に到着する場合、コンプリメンタリーとしてミネラルウォーターをいただけるのは地味に有難い。夜遅くにコンビニまで買い出しに出かける必要がないというだけで、だいぶ時間を有効に使える。
部屋に着いたところで即座に荷物整理を済ませ、シャワーを浴びて長旅の疲れを癒す。

シャワールームも比較的清潔で良かった。水圧も温度も申し分ない。シャワーで長旅の疲れを癒して、ベッドに飛び込んだ。
異国の地で迎える朝
スマートフォンのアラームで目を覚ます。窓を開けると、異国の地の朝だった。

そうそう、この雰囲気だよこの雰囲気!!
異国の地で初めて迎える朝って最高だよね?!
今日はいよいよバンコクで楽しむ初日だ。荷造りを済ませ、身支度を整えて、The Phoenix Hotel Bangkok からチェックアウト。

早朝の街並み散策を兼ねて Airport Rail Link の Lat Krabang(ラートクラバン)駅まで歩くことにした。初めての国で迎える初めての朝、バックパックを背負ってホテルを飛び出し、最寄り駅まで歩き出す。

深夜着のフライト明けの朝、異国の地をおもむろに闊歩し始める。このときの高揚感といったら、筆舌に尽くしがたい。日本では見たこともない光景に心躍らせながら歩みを進め、ホテルからは 30 分程で Lat Krabang 駅に到着した。

Lat Krabang 駅から Airport Rail Link に乗り、終点の Phaya Thai(パヤタイ)駅を目指す。
Airport Rail Link はタイ国鉄東本線に並行する新線で、Suvarnabhumi 空港とバンコク中心部にほど近い Phaya Thai 駅を結ぶ空港連絡鉄道だ。空港連絡鉄道とはいっても、空港アクセスにしか利用されないわけではなく、地域住民のバンコク都心への通勤にも利用されている。日本で例えると、北海道の快速エアポートのような感覚だ。座席は通勤電車のようなロングシートで、混雑時には立席となる可能性もある。しかし、車内は清潔に保たれており、これに乗ってしまえば、バンコク近郊の渋滞に悩まされることなく、安全かつ確実にバンコク中心部へスピーディに向かうことができる。
高架線からの車窓に高層ビル群が増えてくると、バンコクの都心部にほど近い Phaya Thai 駅に到着だ。Phaya Thai 駅は Airport Rail Libk と BTS の連絡駅で、ここで BTS に乗り換えれば、バンコクの主要なエリアに簡単にアクセスできる。
グルメ満喫の街歩き
まずは 2 泊目のホテルに荷物を預け、身軽になることにした。Phaya Thai 駅の窓口で BTS の One-Day Pass を購入し、BTS Sukhumvit Line に乗って Phra Khanong 駅へ向かう。BTS Sukhumvit Line は郊外と都心の商業地区やオフィス街、空港アクセス鉄道の接続駅(Phaya Thai 駅)などを結んでおり、バンコクの都市鉄道の要である。日本の都市鉄道でいえば、名古屋の東山線や大阪の御堂筋線に相当する路線である。
Phra Khanong 駅で BTS を降りて、Sukhumvit 通りを数分ほど歩く。今夜の宿である Hope Land Sukhumvit 46/1 に荷物を預けてしまうことにした。
荷物を預けて身軽になったら、さっそくバンコクのグルメを満喫しようじゃないか。まずはトムヤムヌードルの有名店、Pe Aor(ピーオー)を目指す。Phaya Thai 駅から地上に降り、タイ国鉄の線路沿いを歩く。

途中で線路脇から細い路地に入り、しばらく歩くと Pe Aor に到着。

ローカルな雰囲気ではあるが、この店のトムヤムヌードルがすこぶる美味いというのだ。早速入店して、トムヤムヌードル、海老、ムール貝、ゆで卵入りをオーダー。麺は種類を選べるのだが、ここでは定番のセンレック麺をチョイスした。

なんだこれは……辛みと酸味のある中に、濃厚な魚介の出汁が利いているスープ。米粉から作られたという、優しい味わいのセンレック麺……!
うまい……うますぎる……!!
ローカルの店でこれほどまでに美味しい現地のグルメを楽しめるなんて、もう最高だ。これぞ海外旅行の醍醐味だ。
空港からの移動とランチで手持ちの現金も少なくなってきたので、大型ショッピングモール centralwOrld の 3 階にある SUPERRICH(スーパーリッチ)で追加の両替。ちなみに、この centralwOrld 付近には SUPERRICH のヘッドクォーターもあるので、そちらを利用してもよい。
タイのローカル食堂は 1 皿が少なめなことが多いので、食べ盛りのメンズ諸君には物足りないかもしれないが、色々と食べ歩くにはもってこいだ。ちょうど近くにカオマンガイの有名店の本店があったので、そのお店に行ってみることにした。Go-Ang Kaomunkai Pratunam(ゴアーン・カオマンガイ・プラトゥーナム)、通称『ピンクのカオマンガイ』の本店だ。流石は人気店の本店だけあって、店舗前には入店待ちの行列ができていた。

15分程並んで、ようやく入店。カオマンガイとタイティ―をオーダーした。

カオマンガイは、鶏肉もごはんも優しい味わいで美味しかった。刺激が欲しければチリソースでもなんでもかけてみればよかろう。思いのほか辛くて悶絶するかもしれないが。気がついたらあっという間にカオマンガイを平らげていた。これ、ご飯がめっちゃ進むやつだ……ご飯そのものだけど。
せっかく Go-Ang の本店まで来たのだから、ついでに Kuang Heng Pratunam Chicken Rice(クワンヘン・プラトゥナーム・チキンライス)、通称『緑のカオマンガイ』にも足を運んでみた。実はどちらもカオマンガイの有名店なのだが、徒歩 30 秒もかからない。

Kuang Heng のカオマンガイは、茹でた鶏と揚げた鶏の両方を楽しめるメニューもあるのだ。

一皿で二度おいしいからたまらない。そして、緑のカオマンガイもピンクのカオマンガイに負けず劣らず美味しいのだ。まさか昼ごはんとしてトムヤムヌードルを楽しんだ後に、ピンクのカオマンガイと緑のカオマンガイと 2 軒はしごするとは思わなかったよ。海外初日にして、なかなかに Crazy なランチだ。
ランチの後は、Siam 地区を散策する。

Siam 地区は近代化が進んだ商業地区で、 広い大通りの両側に大型ショッピングモールが立ち並び、シンガポールの Orchard 地区を彷彿とさせる雰囲気だ。このエリアにいると、ショッピングだけで 1 日を使ってしまいそうだ。弾丸旅行だからそんなことはしないけど。
Asiatieque で楽しむトワイライト
夕暮れ時は Asiatieque で過ごすと決めていた。BTS の Saphan Taksin(サパーンタークシン)駅から歩いてすぐのところにある Sathorn(サトーン)船着場から、Chao Phraya Express Boat(チャオプラヤ・エクスプレスボート)に乗る。本数は少なめだが、Asiatieque 利用者向けの無料シャトルボートもあるので、そちらを利用してもよい。

Chao Phraya Express Boat は結構なスピードで Chao Phraya 川を下る。このあたり一帯に肥沃な大地の恵みをもたらした雄大な大河が、これほどまでの大都会の中心部を流れているのだ。素晴らしいの一言に尽きる。
Chao Phraya Express Boat から流れゆく両岸の景色を眺めていたら、あっという間に Asiatique に到着。下船すると早速美しいレンガ造りの建物が出迎えてくれた。

この美しい赤れんが作りの建物は、かつて East Asiatic Company の倉庫として使われていたものだ。今となっては、リノベーションされ、観光客向けの複合施設になっているが、歴史と風情を感じる素晴らしい観光スポットだ。
Asiatieque 内にあるスーパーマーケット、Big C で果汁 100% のジュースを買って飲んでみた。

パッションフルーツジュースとピンクグアバジュースを飲んだのだが、どちらも濃厚で美味しかった。やはり南国のフルーツは味が濃厚なのだ。
Asiatieque の敷地内を散策すると、大きな観覧車が回っている。

どうやらタイで最も大きな観覧車だという。Asiatieque の周りには高層ビルなどはなく、その高さがより一層際立っている。
Chao Phraya 川沿いには歴史を物語る帆船が係留されていた。

この優美な帆船の名は Sirimahannop といい、かつて活躍していた Thoon Kramon という帆船のレプリカらしい。遠洋航海をするような大型帆船が大都会の真ん中を流れる川に浮かんでいるというのも、日本人からすると不思議な感覚だ。悠然と流れる大河のほとりに聳え立つ高層ビルと、赤れんが造りの倉庫群、そしてこの優美なる帆船……タイの過去と現在が交差するとっておきの観光スポットだ。
Asiatique は夜になると本当に美しい。横浜の赤レンガ倉庫群を彷彿とさせる雰囲気である。

夕暮れ時から夜にかけての Asiatieque は本当に素晴らしい。単に歩いているだけでも楽しい気分になれるので、バンコクに泊まる機会があれば是非とも足を運んでみてほしい。
Khao San 通りの夜
Asiatieque で夕暮れ時を楽しんだあとは、再び Chao Phraya 川を往くことにした。

Chao Phraya Express Boat で Phra Arthit(プラアーティット)船着場へと向かうのだ。目指すはバックパッカーの聖地として名高い、Khao San(カオサン)通りだ。
終点の Phra Arthit 船着場からは歩いて行ける。船着場から数分程度歩き、少し落ち着いた雰囲気の Ram Buttri(ランブットリー)通りを抜け、一本隣の通りへ進むと……

憧れの Khao San 通りの起点に到着!

Khao San 通り一帯がお祭り騒ぎのような様相を呈しているが、お祭りなどではなく、これが普段の夜の光景だというから凄まじい。

Khao San 通りを歩いていると、至る所から大音量でクラブミュージックが聞こえてくる。これはもはやひとつのアトラクションと言っても過言ではない。

異国の地でクラブミュージックを聴きながら、Chang Beer を流し込む。EDM の重低音と雑踏の喧騒を BGM に楽しむビールは、控えめに言って最高だ。

タイに来たら Khao San 通りは外せない。そう強く思った夜であった。
Khao San 通りの夜を楽しんだ後、ホテルへの帰りの時間帯には Chao Phraya Express Boat の運航は終わっているので、別のルートで帰るしかない。タクシーやら配車サービスやらを使っても良いのだが、それではあまり面白くない。近くのバス停から BTS の駅を通るバスに乗ればよいだけだ。今回は Phaya Thai 駅 を経由する 503 番バスに乗った。

Phaya Thai 駅でバスを降りて、そのまま BTS に乗り継ぎ、ホテル最寄りのPhra Khanong 駅へ。

近くのセブンイレブンでガパオライスを買ってから、ホテルに帰着。

「タイの名物料理だし……」と興味本位で買ってみたのだが、けっこう辛かった。
ガパオライスの辛みを水で流し込んで、シャワーを浴び、長旅の疲れを癒すかの如くベッドにダイブした。もう 25 時だったけど。
3日目
さて、3 日目だ。昨日バンコクに到着したばかりだが、今日はもうバンコクを離れる日だ。弾丸旅行で感情に浸ってる時間などない。早速活動開始だ。
異国の地で KFC
タイで迎える 2 度目の朝、ブレックファストは KFC にしてみた。

海外旅行に来てまで KFC かよ?!……とか言わないで。タイの KFC は日本のそれとは一味違っていて、なかなか美味しいのだ。

KFC! KFC!

養鶏大国だけあって、チキンの質が高いと思われる。そして味付けも良い!!日本の KFC ではまずお目にかからないエッグタルトもついてきた。

甘さ控えめでありつつも濃厚な卵の味わいが楽しめて、非常に美味しかった。ちなみに、タイの KFC ではドリンクは全ておかわり自由らしい。日本のドリンクバーの感覚で、好きなものを何杯でも注ぐことができるらしい。まあ、一般人からしたら、こんな甘いの何杯も飲めないけど。
役目を終えるバンコク駅からのショートトリップ
このタイミングでバンコクに来たからには、是非とも行っておきたい歴史的建造物があった。長いことバンコクの玄関口として活躍してきたバンコク中央駅がほどなく役目を終えるという。この素敵な駅舎が失われる前に、その優美な姿を見ておきたいと思い、バンコク中央駅に行ってみることにした。
Phra Khanong 駅から BTS に乗り、Asok(アソーク)駅で降りる。Asok 駅は MRT のSukhumvit 駅との乗換駅になっており、ここで MRT Sukhumvit 線に乗り換える。近代的でスタイリッシュな駅構内、清潔な車両……シンガポールの MRT を彷彿とさせる都市鉄道だ。朝ラッシュを過ぎて空いてきた快適な車内でゆったりと過ごす。
Hua Lamphong (フアランポーン)駅で MRT を降りる。長い連絡通路を歩くと、SRT(タイ国鉄)のバンコク中央駅だ。
駅舎の外に出てみると、巨大なアーチ形の駅舎が立派に佇んでいる。

なんと荘厳な駅舎なのだろうか。待合室は巨大な吹き抜け空間で、天井のステンドクラスが美しい。地平のホームには櫛型のプラットホームが広がり、どことなくかつての日本の上野駅のような雰囲気なのだ。雰囲気もそうだが、運行面でもかつての上野駅に相当する駅だったという。上野駅が東北・北陸地方へ向かう北の玄関口であったように、バンコク駅も北の玄関口であったようだ。

待合室から続く大きなトレインシェッドは、その東半分が既に役目を終え、鉄道博物館と化していた。

この格式の高い駅は、タイの鉄道史に名を刻む紛うことなきレジェンドだ。

駅名標も豪勢で、この駅の格式の高さを一層際立たせている。

トレインシェッドの西側、現役のプラットホームへと回り込む。長大な櫛型のプラットホームには、機関車に牽かれた列車が止まっている。

2024 年現在、長距離優等列車がこの駅に入ることはないという。長距離優等列車のターミナル駅としての役割を担っているのは、2021 年に Bang Sue(バーンスー)中央駅として開業し、その翌年に Krung Thep Aphiwat(クルンテープ・アピワット)中央駅と改称された、東南アジアで最大規模を誇る巨大なターミナル駅だ。
せっかくなので、ここから Bang Sue Junction(バーンスー分岐駅)まで普通列車に乗車することにした。チケットカウンターでチケットを購入したところ、列車が指定されていた。普通列車で列車が指定されるというのは、日本ではほとんどないことだが、こちらでは普通のことのようだ。運賃はわずか 2 THB。
冷房の効かない古い客車のボックスシートに腰掛けて、ゆったりと発車を待つ。案の定、発車は遅れた。ディレイも旅の醍醐味だ。あまり気にせず待っていたが、気がついたら、音もなく列車は動き出していた。発車の衝撃もなく、ゆっくりと滑らかに列車は北へ向けて動き出していたのだ。
列車はバンコクの街の中を快調に北上する。少し街のはずれを往く列車の車窓には、大通りや BTS からは見えない景色が流れてゆく。途中の小さな駅に止まると、そこは素敵な風情ある駅だった。

これぞ東南アジアの鉄道旅だ。ありとあらゆるものに旅情が掻き立てられる。
やがて進行方向右側に近代的で巨大な駅舎が見えてくると、Bang Sue Junction 駅に到着だ。

Bang Sue Junction 駅はタイ国鉄の主要路線である北本線と南本線の分岐駅だ。かなり歴史のある駅ではあるが、プラットホームは新しいコンクリートで舗装され、綺麗な芝生も整備されていた。しかし、タイ国鉄の近代化事業で、隣接する高架の巨大駅、Krung Thep Aphiwat 中央駅に役割を譲りつつあり、ゆくゆくは完全に移転するという。この駅もバンコク中央駅同様に役割を終えつつあるのだ。巨大な新駅の隣に残る古い駅。駅構内を行き交う列車に旅情を掻き立てられる。

Bang Sue Junction から Krung Thep Aphiwat 中央駅まで歩き、MRT に乗り換える。この駅からは近代的な MRT で市内中心部に戻ることにする。Chatuchak Park 駅で MRT を降りて、地上に出る。MRT の Chatuchak Park 駅は BTS の Mo Chit 駅との乗換駅になっており、すぐにバンコク中心部へ向かうことができる。
異国の地で楽しむ北陸の味?!
Asok 駅で BTS から降りて、駅直結のショッピングモール、Terminal 21 へ。空港と世界各地の都市をモチーフにした内装に心躍らせつつ、ランチのお店へと向かう。

今日のランチは……まさかの 8 番らーめん!北陸地方ではお馴染みのラーメンチェーン店である。8 番らーめんでは、かねてから試してみたいと思い続けていた、トムヤムクンらーめんをオーダーする。

トムヤムクンらーめん、めっちゃ美味しいんですけど……?!これ、北陸の店舗でも展開してくれないかなぁ?
旅の終わりも近づいてきた。空港に向かう前に、ホテルで荷物をピックアップ。チェックアウト後、ホテルでの最後のひとときはコンプリメンタリーのケーキとドリンクのセットをいただいて過ごすことにした。
何これ……美味しすぎるんですが?!?!

なんだこのめっちゃ濃厚なチョコレートケーキは?!
なんだこのめっちゃフルーティーなパイナップルスムージーは?!
明らかに高級ホテルで出てくる類のそれだぞ?!
思う存分チョコレートケーキとパイナップルスムージーを堪能したところで、名残は惜しいが、ホテルを後にする。BTS で Siam の Big C へ向かい、職場への手土産を物色する。Siam の Big C は都心部にありながら広大な売り場面積を誇る、バンコク屈指のハイパーマーケットだ。陳列されている商品を眺めていると、その国の文化と食生活を垣間見ゆことができるので、けっこう楽しくなってきて、お土産選びはそっちのけになってしまいがちだ。気を取り直してお土産を調達してバックパックに詰め込んだ。
Phaya Thai 駅から Airport Rail Link に乗り、帰国の途に就く。渋滞で混雑している高速道路を横目に、列車は結構なスピードで高架の線路を駆け抜けてゆく。程なく列車は Suvarnabhumi 国際空港に到着した。4 階の出発ロビーに上がり、上海航空運航の FM840 便にチェックイン。チェックインバゲージを預け入れる。
搭乗までしばらく時間があるので、軽く晩御飯を楽しんでからパスポートコントロールを通過することにした。帰国前、最後の晩餐は Magic Food Point でパッタイにした。

パッタイは現地の味だけあって美味しかった。
帰国のフライト
タイへの名残を惜しみながら、パスポートコントロールを通過し、制限エリアへ。

制限エリアには DEAN&DELUCA が出店していた。それほど時間に余裕があるわけではないので、後ろ髪を引かれる思いでボーディングゲートへ歩みを進める。
バンコクから上海までは、上海航空と中国東方航空の共同運航便。機材は B737 MAX 8 で、残念ながらエコノミークラスにはシートモニタはなかった。

シートアサインは非常口の前、足元は広いわけではないのにリクライニングできないというハズレ席だった。一つ後ろの Exit row(エグジット・ロウ)すなわち非常口座席ならシートピッチが広いのに……
シートモニタもなく、リクライニングもしない座席に、しょんぼりしながら着席し、シートベルトを締める。ほどなくドアクローズ、タキシング開始。スポットを離れてから12分ほどでランウェイから離陸し、楽しかったバンコクを後にする。
出発から 1 時間程経過したところで機内食がサーブされた。

サーブされたのは軽めのボックスミールで、サンドウィッチ、チョコブラウニー、リンゴジュースが入っていた。サンドウィッチはパサパサだった。チョコブラウニーは美味しかった。
……ところで、何故にリンゴジュースがボックスに入っているのにドリンクサービスがあるんですかね?!
そんなこんなで機内食を済ませて、軽く仮眠をとることにした。このフライトは深夜に上海浦東国際空港に到着するのだ。早めに寝ておこう。
4日目
帰国の途は続く
日付が変わって午前 1 時過ぎ、上海浦東国際空港に着陸。往路でなんとなくターミナルの構造や出入国の流れは把握していたので、比較的スムーズに入国できた。
しかし……
出国前のランドサイドはとにかくベンチが少ない!!
ターミナル内には椅子やベンチの類はほとんどなく、ターミナル間連絡通路にかろうじて数箇所ある程度だった。
一方で、出国後のエアサイドはベンチも多いし、手すりのないベンチもあるため、横になって寝ることも可能である。もはや空港泊のためにデザインされていると考えてもいいレベルである。なんだこの落差は……
上海から日本へ
エアサイドでゆったりとしていたら、あっという間に時間は過ぎ、この旅最後のフライトの時間になってしまった。名残を惜しみながら最後のシップにボーディング。タキシングを開始したら 10 分もしないうちにテイクオフ。いよいよ日本へ向けて飛ぶだけとなってしまった。
水平飛行に入って程なく、フライトアテンダントから
"Beef rice? or Fish rice?"
と声を掛けられた。
……あれ?機内食選べるのか?!
とりあえず Beef rice をオーダーしたのだが、国際線とはいえ、単通路の小型機での短距離フライトなのに、機内食を選べることに驚きを隠せない。

しかもこのミール、普通に美味しいのだ。
機窓に流れゆく福岡県の景色を眺めながら、この旅最後のミールをエンジョイする。天気は快晴、福岡市の上空は雲もなく、地形をはっきりと目視で確認できるほどだった。
食後のひとときをゆっくりと過ごしているうちに、見慣れた景色が機窓に広がる。
ほどなく、地元の空港に着陸。小型機からサクッと降機、パスポートコントロールをクリアし、一気に現実に戻ってきた。
ちなみに、これほどまでに Crazy な旅程だが、どうしても海外に行ってみたいと言い張る海外旅行未経験者がいたので、この旅程をつぶやいてしまった。一般人相手であれば、「わけわからん」とか「イかれてやがる」とか罵詈雑言を浴びるのが常なのだが、なんと「ついて行ってもいい?」とにわかには信じ難い言葉を吐いてきた。旅程は具体的に提示し、相当ハードなスケジュールだと伝えたにも関わらずだ。
勇敢(無謀?)にもこの Crazy な旅程についてきた海外初体験の同行者には尊敬を通り越して畏怖の念を禁じ得ない。
なお、バンコク都内での観光は最初の半日だけ同行し、あとは完全に別行動、すなわち放置プレイだったことも申し添えておこう。海外初体験の人に対してこの仕打ちは酷いと思うよ、我ながら。
えっ、同行者の感想……?
「また行きたい」
……だってさ。完全に狂ってるよ、2 人とも。